Kamaseinu-v2

ついにまた自サイトで語る時がきたのだ。

ストレイチルドレン

クリアしました。

(!)ここから全てネタバレ配慮なし

冒頭こそmoonの世界観を引き継いだ続編的ゲームなのかと思っていましたが、ふたをあけてみれば全く想像とは違ったゲーム体験を味わうことができ嬉しかったです。

子供向けの皮をかぶった、疲れたオトナ向けだと感じたのでアクション難易度とかもちょうどよかったかも。疲れたオトナ(私)はギリギリクリアできないこともあるレベルのゲームを求めている。(コトバの説明とか一切なくて不親切すぎるとは思うものの気づきたいやつは勝手に気付けなのも良い。私はヤスヨにボスオトナの言及されるまで全員をとにかく殺していた。死んだとか殺したとかゲーム内で言うのドキッとしすぎるだろ)

まずゲームとしてすごく面白かったです。喋らない系無口主人公くんは、その性格をこちらの想像で補う作業が生じるのですが、色々な方向からナナシノコドモくんの背景や生い立ち、お父さんのことを知り想像を膨らませていく。すると最終ステージのオトナの国で、オトナはみな動物の顔をしていることがわかります。さんざんゲーム内で変な顔、犬みたいな顔とからかわれ自分でもそれを自覚しているナナシノコドモくん。このゲームは彩度の低いアパートのなかでひとりぽつんとで佇むナナシノコドモくんから始まりますが、おそらく大人の仮面を自らかぶることを選んだ子なんだろうな、と想像できます。最初のコドモの国でみんなが動物の格好をしているから一瞬わからないんですが他の国にいくと子供はみんな顔が人間なんですよね。うまいリードだと思いました。(再登場した動物コドモたちってMOTHERの格好してます?)

また登場キャラクターに貴賤がないというか。いや貴賤はあるんですが、善悪を属性で分けていないというのが純粋にすごいと思いました。コドモはいい奴でオトナは悪い奴、じゃないんですよね。いいコドモもいるけど悪いコドモもいるし、同情できるオトナもいるけど、いやそれお前…お前元からやばいやんけ…みたいなオトナもいる。ボスオトナですらそう。だからただの疲れたオトナにも事情があって感情があってそれでコドモにあたることもあるけど許して、にならないのがすごいなと思いました。

moonは結構説教じみたところを感じるところも多くて、それが良くも悪くもあったのですがストレイチルドレンはなんかいろんな人がいて、いろんな人がいるんだよね(=いろんな人がいるということしかわからない)。みたいな。その突き抜け方がかなり好きでした。だってナナシノコドモくんの目的はお父さんを探すことだから、道中みかけた可哀想なコドモを救いたいと思って救うのはあくまでプレイヤーであってナナシノコドモくんではない。救いたいコドモたちに裏切られても、コドモたちが死んじゃっても悲しさを感じるのは私たちなんですよね。落ち込んだり泣いたりするモーションがないのってこの大説明時代にすごいな、と思いました。

最後に念願かなってお父さんに会うことができましたが、そのお父さんですらナナシノコドモくんにとってどうだったかはわからない。忙殺されてしまった悲しい人ともとれれるし、勇者姿であった時に頭をなでてくれたシーンから良いお父さんともとれる。でも人って「いろんな面があって、いろんな面があることしかわからない」んだよなあとも思いました。お母さんはお父さんが死んでしまったことで苦労して恨んでるかもしれない、元から愛情が薄い人だったかもしれない、死ぬ前からも家庭を顧みない旦那の働き方にやきもきしてたかもしれない。どれも間違ってるかもしれないしどれも正解かもしれない。答えを簡単にだしてくれないオニオンゲームさんが好きです…。

そしてケンケン。どう考えてもヤクザのオッチャンだと思っており、父さんが死んだことで負った借金の返済に対価を支払わされる(何かやらされる)と思ってました。全然違った。他の方の考察で未来の主人公の姿なのでは?(ゲーム内で犬の格好してるし電車も降りないし)というのもみましたが恋人とかでもありえるのかな、とか。あまりにも妄想が飛躍するので割愛しますが、たかが親戚があれだけの苦難を乗り越え見つけ出そうとするかな、ナナシノコドモくんへの態度もかなり優しく愛に溢れているし、ナナシノコドモくんはケンケンの大事な人のコドモなんじゃないかな、とかその程度の想像ですが。

 

今私生活のほうでかなりもやもやとしていたのですがこのタイミングで他オトナの苦悩を声がけで解消していくゲームに出会えたこと、運命だとおもっています。発売日に定価で買って寝かせてしまっていましたがいいときにこのゲームをプレイすることができてよかったです。ゲーム作り、大変かもしれません。でもみんなの心に残るゲームをたくさん作ってくれてありがとうございます。

私はNIGHT IN THE WOODSが大好きで、このゲームが好きだと思うたびにその作者が亡くなっていることを思い出して落ち込みます。ゲームを作る人が何かに追い詰められすぎないことを本当に祈っています。あなたのゲームが大好きです。もう新しいゲームは作れなくても大好きです。なにも怖がらないでほしいし心配しないでほしいです。そう思っています。